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酒米プロジェクト

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初の地元産米 立春朝しぼり

キンと冷えた寒の極まる早朝、真夜中から続く上槽作業(お酒を搾る工程)とこれから始まる出荷作業のつかの間の時間。静かな蔵の中からちょろちょろという音とフルーティな香りが漂います。

「立春朝しぼり」当日。醪(もろみ)がヤブタという機械で搾られ、薄暗い蔵の中でキラキラと光る黄金色の酒が、垂れ壺に落ちてきます。そっとすくって口に含めば、メロンのような香りと舌に広がるシュワシュワと心地よい刺激。「うわぁ、美味しい!」と思わず飛び出す溜息まじりの声。この味わいをお届けするには時間との勝負。搾りたての酒が生み出す感動をどうにかその日のうちにお届けしたいと始まった「朝しぼり」も今年で10年目を迎えます。

今年はようやく酒米プロジェクトで実った地元産のお米での初出荷となり、いつもより更に特別な朝。蔵人もより一層気合いが入ります。

息を合わせた丁寧かつ迅速な作業から生まれるこのお酒は、蔵人と微生物のコミュニケーションの産物。長年の経験と日々蓄えてきたデータがこの日の朝、芳醇な香りと黄金の味わいとなって現れるのです。

この朝しぼり、出来立てを味わう醍醐味はもちろんこのお酒の特権なのですが、それに加えて封を開けてすぐのフレッシュな味わいから、熟成が進み丸みを帯びていく味の変化を感じて頂くのもまたオツな楽しみ方なのです。日々変化していく味。それはまぎれもなくお酒が生き物であることの証です。

さて、日もまだ出ない朝の寒さをこらえながら、瓶詰めされたお酒の梱包作業が各レストラン社員も総出で行われています。生まれたての芳醇な味わいを醸している酒を届けられるとあって、寒さを吹き飛ばすように皆笑顔。蔵全体が高揚しています。そして繰り返される味見?の後の空き瓶もまたご愛嬌。こんな光景もセットで、何だか贅沢なお酒なのです。

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