第二章本格稼働!
1反の田んぼを借り受けて、4年前に社員一同で始めた酒米プロジェクト。
かつてあった営みをもう一度取り戻し、そこに新たな息吹を吹き込み未来に残していきたい、そんな大きな思いを胸に規模は小さくはじまりました。
土を耕し、苗を育て、田植えをして稲を刈り、それを酒造りの米に仕上げ、酒を仕込む。
地元の農家さんの協力のもと、その工程の全てを自分たちの手で行った酒造りの先にはどんな景色が見えるのだろう。
自社精米工場設立を経て、種蒔き・育苗から酒造りまで自社一貫生産へ本格稼働を始めた私たちの取り組みをご紹介します。
酒米がお酒の原料になるまで
熊澤酒造の米作りは苗を育てるところから始まります。種蒔きから仕込みまでの自社一貫生産の様子をイラストにしてみました!
酒米作り5年目のご報告
5年目の今年、田植えは5月初旬に富士山を見渡せる絶景スポット、茅ヶ崎の赤羽根地区からスタート。毎年恒例のアクシデントにも今年は見舞われず、なんだか逆に心配な中、ほぼ2日間で8枚10反(1町歩)の田んぼ全てに早生の五百万石を植え終わりました。それもそのはず、前号「農業部の課題と対策」ページで、人手不足と機械類の故障について言及しましたが、醸造部に2名の新人が増員され農業部員デビューを果たしたことや、機械をグレードアップさせスムーズな田植えが行えたこと、機械が入れない田んぼの端は同時に手作業で補植を行うハイブリッド方式が行えたことなどが、見事に乗り切った勝因と言えるでしょう。このハイペースを維持して田植えができないと間に合わないほど田んぼが広がったという嬉しい悲鳴でもあるのです。その後6月に茅ヶ崎の芹沢でも五百万石を、また昨年雑草がはびこり大失敗した無農薬栽培のリベンジにも挑戦し、ついで晩生の山田錦を寒川の田んぼに植えました。
今年は宿敵ジャンボタニシとの格闘(寒川地区)、稲の出穂直後を狙うカメムシ被害(赤羽根地区)も発生してしまいましたが、こう言った自然の脅威と格闘し、また記録的な猛暑を乗り越え、8月後半からは、たわわに実った田んぼの稲刈りが始まりました。このお米が秋から始まる酒造りの酒米となっていきます。5年目の酒米作りの結果はいかに?次号でのご報告をお楽しみに!
注目!今年から自分たちの田んぼに酒米プロジェクトの看板を設置しました!これで、場所のお問合わせにも応えられ、地域の方がたへの認知度もグーンとアップしました。