記事公開日:2020/10/01
大谷石(おおやいし)
熊澤酒造の敷地内にはたくさんの大谷石が使われていることにお気づきでしょうか?今回は「天青」へと続く小道の敷石として、この庭にすっかりと溶け込んでいる大谷石についてのお話です。
実はこの敷石、今の「天青」の建物をレストランとして開業するにあたり、一度解体し組み直した際に基礎に使われていた石を再利用したものです。
関東大震災でも残った建物を、一番下から支えた基礎の石ですから、大きな役割を果たしてきたに違いありません。その石を時代に合わないからとか、本来の役目を終えたからと切り捨てるにはしのびない。また新たな命を吹き込めば、新たな用途を加えれば、きっと再び輝き始める・・・。
そう考えた蔵元の意志を船平さんは理解し、今の庭を実現してくれたのです。
以前はアスファルトで埋め尽くされていた熊澤酒造も、そうやって少しずつ古いものを活用して新しい原風景をつくってゆきます。