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古道具のある暮らし

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モキチ鎌倉編

モキチ鎌倉店の内装は白を基調とした内壁や天井にモキチらしい古材やアンティークの照明・家具を散りばめた空間になっていて、建物の洒落た造りと合いまってどこかヨーロッパの教会を思わせる空気が漂っています。この空間作りに大いに趣を添えているのは解体が決まっていた一軒の住宅の古い部材たちです。それは材木座にある橋爪邸という昭和初期のとても素敵な洋館付き住宅で、何とか移築できないかと打診をもらったのです。こちらの計画もまだぼんやりした中でしたが、この敷地のどこかに洋館部分を移築再生できないかと、部材に番号をつけて丁寧に解体し保存しておきました。

再生は叶いませんでしたが、その部材はモキチ鎌倉で大いに光を放っています。例えば、ガラス戸は2階の間仕切り用の建具にしたり、テラスやキッチンからの出入り口として使い切りました。また洋館についていたパーゴラの手すりは店内の奥側の段差の手すりになり、そのそばにある大きな食器棚は食器下げ用の什器となって堂々とした存在感を発揮しています。ドリンクカウンターやレジカウンターも洋館の床材を利用し、使い道のかった角材は全てのテーブルの脚に加工しました。

こうして橋爪邸は形をかえてこの建物の中に新たな命を得て息づいています。オープン初日に来訪された橋爪邸のご息女は、「両親はもういないけれど、幼少からの思い出が残りここが私たちにとっての大切な場所になりました。」と言って下さいました。歴史ある建築物を思い出とともに引き継げたことに安堵した瞬間でした。そして新たな使命を受けたモノ達は、今度はモキチ鎌倉と歴史を刻んでいくことでしょう。

さて、その他にもモキチ鎌倉を彩るグッとくるグッズ達は沢山。どれもこの6年間で溜め込んだとっておきのモノ達なのです。皆、長い間出番を待ちわびていました。それを引っ張り出し、ああでもないこうでもないと試行錯誤を楽しみながらの店作りの結果、出来上がったこの空間。ただ自分たちの感性を信じて進むのがモキチの流儀です。流行りの格好よさはいらない、自分の好きなモノに囲まれていたいのです。でもそれが、結果的にどこにも似ていない、独特の世界観となっているのかもしれません。

1.バリ島の子ども向け楽器 2.フィンランドの古時計 3.正面入り口の飾り棚 4.1950年代アメリカの車の実寸大図面 5.アメリカのアンティークポスター 6.南欧の木彫の人形(モキチ鎌倉を見守る女神像)

ここが、皆さんにとって美味しい食事とお酒とともに、空間も楽しんでいただける特別な場でありますように!

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