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酒米プロジェクト

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集いし者たち

瑞々しい初夏の光の中、酒米プロジェクトの田植えが始まりました。新たに加わった茅ヶ崎の赤羽根地区、寒川の田植えの様子をのぞいてみると、廻りはじめたサイクルの中、新しい顔や出来事がいっしょにクルクルと楽しそうに弧を描いています。前回の経験から学び、新しい機械を導入したり、指導者からのアドバイスを聞いたり、工夫をしながらこの輪をまた来年に繋いでいきます。専業農家ではない熊澤酒造ですから、本業とのスケジュールの兼ね合いなどもコアメンバーを決めることで調整していきます。赤羽根地区では新たなレジェンドの高橋さんも色々とご指導くださり、手探りの酒米プロジェクトに心強い味方が増えました。そんなふうに、めぐる輪が集いし者たちによって大きく豊かになっていきます。

レジェンドの指導の元、水路の整備

昨年はハウスを入れて一町歩だった水田が今年は二町歩(6000坪)になりました。増えるにつれて土地の持つそれぞれの問題にぶつかります。赤羽根や寒川など新たな地区で同じ機械を動かしても、土によって苗の植わり具合が変わったり、そもそも生えている雑草の種類が違ったり、水の具合も異なったり。寒川では、芹沢地区にはあまり無いヨシの繁殖に手こずっていました。芹沢地区に多いカヤと違い、ヨシは地下茎で繋がっていて、草刈りをしてもすぐに生えてきてしまいます。代掻きをしてすぐの田んぼにもちらほらヨシが生えてきていました。そして点在する耕作放棄地によってそこの水の流れが滞り、自分たちの田んぼの水の管理に影響がでてしまいます。赤羽根でも溝の詰まりが水温の上昇を招くのできれいな水が流れるようにと整備をしました。

ヨシ(葦)と戦う西原くん(寒川地区)

そんなとき嬉しかったのが今年の苗の出来を褒められたこと。このプロジェクトの未来が苗にキラキラ繁栄しているようで、耕作放棄地の未来が見えてきた…。そんなほっこり気分をみるみる生えてくる雑草に打ち壊されつつ、日々田んぼでの奮闘はまだまだつづきます。

今年は「シルバー・ラブ」(育苗シート)を導入!スクスク育ちました

立派に育った雄町の苗

 

ニューウェーブたち

酒米作り3年目となった今年、広がった田んぼに加わった心強いニューウェーブ達をご紹介します。自動田植え機その名も「さなえ」です!酒米は、育てやすく品種改良された食用米に比べ稲が大きく育ちます。そのため稲同士の間隔を広くとり、稲自らの力で分けつし、しっかりと根を張る環境を与えることで一粒一粒が大きな酒造好適米となります。ですから稲の間隔を広げられる機能搭載のさなえは心強い味方なのです。

更に今回は頼もしいレジェンド高橋さんがアドバイスを下さりました。今年初めの田植えでは、粘土質の田んぼで田植機を回転させるとき、1枚車輪で回っていたため、酒蔵部のメンバーが乗った田植機が回転と共に倒れ、ずぶずぶと田んぼに沈んでいくという事件が発生しましたが、高橋さんの提案で後方車輪をダブルにすることにより、しっかりと安定して走行、回転ができるようになりました!これで田んぼに沈まずに、安心して田植機を動かせます。

一枚車輪でチャレンジ!沈みゆく藤代

高橋さんはなんと高度経済成長期に熊澤酒造で出荷配達のお手伝いをして下さっていたことも判明!ご縁を感じまた、そういった農家さんとの関係が広がってきたことをありがたく思います。

食用米の田んぼはすでに黄金色に染まった9月初旬、遠目にもわかるひときわ緑濃く青々とした一角が我らが酒米「雄町」の田んぼ。こちらに稲が実るのはもう少し先になりそうです。ニューウェーブ達の応援をもらい、秋も深まる頃にはずっしりと頭を垂れる姿を見せてくれるのを楽しみに待つといたしましょう。

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